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徒然草 気まま読み#19
『勅書を持たる者は下馬せず』
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今回扱うのは、第九十四段。
短いので全文を掲げると…
常磐井相國、出仕したまひけるに、勅書を持ちたる北面あひ奉りて、馬よりおりたりけるを、相國、後に、「北面なにがしは、勅書を持ちながら下馬し侍りし者なり。かほどの者、いかでか君に仕うまつり候ふべき」と申されければ、北面を放たれにけり。
勅書を馬の上ながら捧げて見せ奉るべし、下るべからずとぞ。
朝廷のトップである太政大臣・西園寺実氏が朝廷に出てきた時、上皇の手紙を持った武士が乗った馬と出会った。武士は馬から降りて礼儀を示したが、その行為がけしからんと、西園寺はその武士の職を解いてしまった。それはなぜか?
天皇・上皇の権威とはどのように担保されてきたのかがうかがえるエピソード。